上図はジャンク品として入手した 第一電波 DIAMOND GS-3000SV 型です。アマチュア無線業務は細々と運用しています。1.8MHz帯から1200MHz帯まで 隠れ山小屋でオールモードで運用しています。いまだラジオ少年を継続中の 無銭庵 仙人 と申します。くだらない話ですが多少とも参考になれば幸いです。
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上記はアマチュア無線用無線機に必要な電源装置です。販売時期は不明ですが数十年以上経過していると思われる電源装置です。定格は MAX 15V/30A 規格の装置です。隠れ山小屋では複数台の無線機で運用していますが 山小屋を開設してから約30年となります。今回骨董的な無線機に新たに追加として YAESU FT-991A を 固定局として開設しました。もともと貧乏人であり ほかのOMのような最新型の無線機など複数台購入する財力はありません。名前のごとくお金がない無銭家(無銭庵 仙人)霞を食らっている生活者です。
参考 第一電波製 現行品の性能及び価格税別
シリーズレギュレーター方式直流安定化電源 GSV-3000 52,000円 1~15V/30A 9Kg
スイッチングレギュレーター方式直流安定化電源 GZV-4000 55,000円 5~15V/40A 3.5Kg
スイッチングレギュレーター方式直流安定化電源 GZD-2000 38,000円 3~15V/20A 2.02Kg
昔の真空管式無線機であれば電源トランスが内蔵されていますが 半導体式無線機となれば外部電源装置を新たに接続しなければなりません。半導体無線機でも高級品機種では商用電源からの電源で無線機内部に電源装置・内蔵タイプも存在しますが搭載機種は高額で入手できていません。100W未満の半導体無線機ではほとんど DC:12V で運用できる機種が数多く存在します。市販されている無線機では動作電圧として 13.8V±10% と表記されています。13.8V という電圧は 鉛蓄電池6セル12V であれば充電完了(チャージアップ)電圧が 13.8V です。(1セル当たりのチャージアップ電圧は 2.3V) 無線機各メーカーでは ほぼこの電圧で設計されています。移動運用時車両からの電源で運用されるか 発電機運用がほとんどと思います。車両ではエンジン停止時では DC:12V 付近になると思います。その場合送信電力が低下する機種もあります。あくまでも定格出力時は 13.8V 運用が必要なわけです。商用電源での運用時であれば定電圧電源出力電圧は 13.8Vに設定します。13.8V+10%の電圧はいくらでしょうか。15.18Vですね。電源装置では最大出力電圧はほぼ DC:15.0V と設定されています。無線機では定格出力時 電圧が高くなるほど入力電流は少なくなります。運用効率が良くなると思います。
各メーカーからは数多くの 商用電源 AC:100V から無線機に接続する電源装置が販売されており 機種により電源容量が異なりますが 汎用の定電圧電源として昔から多数販売されています。電源装置については昔ながらの電源トランス搭載分と スィッチングレギュレーター方式が存在します。現在運用している 50MHzから1200MHz 帯までのオールモード機は YAESU FT-736MX です。この機種ではスィッチング電源が本体内に内蔵されています。電源トランスが搭載されていないため本体重量は軽くなっています。動作はするが今はお飾りとなっている YAESU FT-101 シリーズでは一部真空管で動作するため 大型電源トランスが内蔵されており本体重量は結構な重さとなります。
上図は GS-3000SV の内部構造です。ジャンク品をヤフオクで入手したものですが 落札価格は 990円 で落札となりました。送料が着払いで 1,320円 であり商品より送料が高額となりました。電源スィツチが破損しておりジャンク品としての出品です。
山小屋では無線機の電源装置として複数台所有していますが その中でも高砂の産業用電源は大型で重量物であり 標準ラックに組み込みも可能な形状です。CV/CC制御 定格 30V/20A, 16V/20A はファン音が大きく又消費電力も多いため現在山小屋ではお飾りとなっています。高砂の産業用電源では内蔵されている電解コンデンサーは消耗品扱いとなっており定期的に交換するように推奨されています。通常運用では自作の電源装置と GS-3000SV で複数台の無線機電源として運用です。結構な時間たぬきワッチで運用していますので消費電力を考えれば高砂の産業用電源は最適とは言えません。
自作で同等の電源装置を工作とすれば高額なのは電源トランスです。プライマリーAC:100V入力 セカンダリー 20V/20A であれば 400VA の電源トランスを選択しなければなりません。このような容量であれば電源トランスとして結構高額です。自作した電源部は静音ファンレスとして設計したため 大きな放熱板でないと長時間運用できません。スィッチング電源方式は所有していますが冷却ファンが動作すれば騒音ともなります。電源装置からのノイズが無線機の受信雑音となるため好ましくはありません。その意味もありほとんどはシリーズレギュレーター方式を採用しています。この方式は効率が悪く発熱も多いのが欠点ですが 電源部からの雑音の発生は少ない方法です。
今回入手した定電圧電源はシリーズレギュレーター方式であり 制御用トランジスターは 東芝製 2SC3281 (Vc-e :200V PD:150W Ic:15A)を4パラレル(並列)接続となっています。電源トランスからの2次巻き線 19.5V からブリッジ整流器により直流となります。フィルターコンデンサーは 3300μF/35WV 105°の電解コンデンサーが8個パラレル(並列)接続です。総容量は 26400μF/35WV となります。制御トランジスター1個当たりの最大電流は 7.5A となり 30A 出力になります。通常の 100W型無線機では MAX 13.8V/23A 程度の消費電力でありSSB,CW では平均電流は 10~15A 程度になると思います。最大連続定格ではこの電源装置では使うことはできません。電源装置の取説では受信・送信の間欠運用で使用するように注意書きとして記載されています。FM送信が連続キャリア送信となるため 一番消費電力が多くなると思います。最大規格・連続送信運用であれは産業用電源装置を選択しなければなりません。上図の制御用トランジスターの中央にあるのが放熱板温度検出用ダイオードであり 放熱用の冷却ファン制御回路です。右上の半導体は 7815 タイプの 15V3端子レギュレーターを追加してあり全面パネル電流計照明用電源回路です。整流後の電圧は無負荷状態では DC:25.1V が発生しており 電流計照明用として白色発光ダイオードを4直列として 安定化IC 15Vにより発光ダイオードに加えます。発光ダイオードに流れる電流は約 5mA で動作します。
上図は GS-3000SV 上面図です。右側は制御基板で フィルター電解コンデンサー 制御用IC 電流バランス用セメント抵抗が組み込まれています。左側には重量級電源トランスが鎮座しています。トランスには一次巻き線電圧と二次巻き線電圧しか記載されておらず 二次巻き線の電流容量は明記されていません。
製品重量 約9.4Kg 製品寸法突起物含まず 縦 135mm 横 160mm 奥行 335mm
上図は付属していた電圧・電流計の上部に 白色発光ダイオード SMD5730 4個シリーズ(直列)接続とし 電流計照明用であるため発光ダイオードに流れる電流は約5mA ほどしか流してありません。この発光ダイオードは0.5W型であり 150mAほど流せますが今回少ない電流のためLEDには放熱板は設置してありません。DC:15Vより電流制限抵抗を直列接続として1.5KΩ/1W を挿入。光源反射用としてアルミテープで固定してあります。
上図は後面です。アルミ放熱板板が確認できると思います。左中央のフューズホルダーはクラックが発生しており在庫品と交換しています。フューズ容量は 125V/10A ガラス管フューズです。高々300VA程度の定電圧電源ですが フィルター電解コンデンサーの総容量は 26400μF の大容量であり電源投入時は瞬間的には大きな電流が流れます。そのため電源スィッチにおいても接点容量は 15A タイプを使用しなければなりません。修復した箇所は電源ランプとして赤色発光ダイオードを今回3mm緑色LED仁変更。なぜかと言うと電源スィッチが破損していたためスィッチ交換に伴い発光ダイオードが取り付けできないため 別の取り付け方法加工としたため発光色も変更です。
上図は今回不良品であったため交換した部品です。新品ではありません。ジャンクボックスを探索して見つけ出した部品と交換しました。費用は発生していません。同じ部品は見つけ出せませんでした。代用品です。
今回交換した部品および追加部品
トグル片切電源スィツチ 125V/15A FUSEフォルダー 7815三端子レギュレーターIC 緑色発光ダイオード 3φ 電解コンデンサー220μF/25WV 白色高輝度発光ダイオードSMD5730 4個直列
形状・規格が異なる部品を使用したため加工には結構な時間がかかりました。今回落札した出品者は産業廃棄物解体業者でした。アマチュア無線家も高年齢となり衰退している趣味の領域です。産業用廃棄物として入手しましたが手を加えれば実用となったわけです。疑似負荷を取り付け動作試験をしましたが正常動作品と判明しました。放熱板温度が上がれば冷却ファン動作も確認できました。パネル前面に取り付けられている電圧・電流計は正規の電流計ではありません。めやすの表示程度のラジケーターと思います。現実にはメーター可動部の引っ掛かりが発生しており 乱暴に扱われたための不具合と思いますが交換部品入手できないため現状とします。精密測定する場合は他の測定機器で調整すればことは足ります。メーターはお飾りとし目安とします。
廃棄品でしたので外観および内部清掃には結構な手間暇が必要でした。人件費を算出すれば大赤字ですね。労務費は道楽作業ですので無視します。
無銭庵仙人の独り言
今回新機種とは言えませんが YAESU FT-991A を新規購入し固定局として登録しました。旧機種ばかりで運用していましたので 初めてモニタースコープ搭載機種の購入です。世間では IC7300 が全盛ですね。デスクトップタイプではないためアクセサリー端子が無線機本体から接続箇所がありません。特に運用面ではメーカー専用のマイクしか接続することができません。従来から使用しているコンデンサー型単独マイクを愛用しています。ノイマン・AKG までは手が出ませんが 周波数特性が良いため以前からSONY製コンデンサーマイクを愛用です。国産AT(オーディオテクニカ)製もファンタム電源が必要である優秀なコンデンサーマイクもありますが 結構高額で手が出ません。この無線機ではオーディオミキサーアンプとの接続はまともにはできませんね。
上図は今回新規に導入した YAESU FT-991A です。小型に集積されておりアクセサリー端子はデスクトップに比較して取り付けられていません。付属しているおにぎりマイクでは運用したくありません。現在シャックで使用しているマイクは他社製品でPA用途品です。プラグ形状は標準マイクプラグです。単一指向性のマイクを愛用です。スタンバイスイッチについても複数の無線機で共用運用しているため 各無線機は一か所のスタンバイスイッチで運用しています。ハンドマイクでは両手が自由に使えませんね。そのためスタンバイ制御ユニットを工作して複数台の無線機を制御します。オペレーター一人での運用であれば複数台の無線機を同時送信はできませんね。
上図は FT-991A 本体内部と後面パネルです。M接栓は U/V ,HF 50MHz 用二か所しかありません。そしてアクセサリー端子も最低の必要端子しかありません。デスクトップ型であれは PTT, AUDIO-IN, AUDIO-OUTPUT , RX-ANT, など当方では必要として活用しています。この無線機では必要とするアクセサリー端子がありません。最低外部マイクロホン入力端子・PTT端子をマイクコネクターから取り出す策を考えました。
上図は新規工作した外部機器接続端子付きマイクケーブルです。この無線機でのハンドマイク本体接続端子はパソコンなどに使用されるインターネット接続LANケーブル端子(RJ45)が採用されています。取扱説明書にマイク端子の説明文が記載されていますのでそれに従い必要な端子を取り出します。RJ45 コネクターは余剰品LANケーブルの切れ端を使用しました。取り出した電線は熱収縮チューブで保護するとする。
今回8Pマイクコネクター(RJ45)から運用上取り出し必要とする種類
PTT(スタンバイスイッチ) GND⑦.PTT⑥
マイク信号シールドケーブル GND④.SIG⑤ ステレオミニプラグ用ソケットに接続 8Pソケットへの配線ですが MIC-GND と制御回路GND は共用してはなりません。
今回使用しませんが FAST(ファースト)ボタン GND⑦.FAST⑧
を取り出ししました。各取り出しケーブル長さは 300mm ほどです。その他の端子番号 DWN① UP② +5V③ GND⑦
左のシールドボックスはミキサーアンプなどの出力をマイクロホン入力レベルまで減衰させる可変アッテネーターを内蔵。
上記配線治具工作の結果 従来の無線機設備と同等の運用となりました。使用するマイクのプラグ形状が標準プラグですので 配線途中には標準プラグソケットとステレオミニプラグ変換ケーブルを工作し中間に挿入します。
Icom IC-705 対抗機種 YAESU FTX-1 Field (6W or 10W) Field+ブースター部 DX(100W) optima-50(50W) ブースター部ではHF帯アンテナ出力端子M接栓は2か所となっており改善されています。しかも FT-991A と同様の 1.8MHz帯から 430MHz帯まで SDR オールモードトランシーバーです。20万円強の価格 貧乏人無銭家にとっては夢かもしれません。FT-991A は従来機種と同じく 9MHz水晶フィルタータイプのトリプルコンバージョン DSP (Digital Signal Processor) トランシーバーです。最近の機種のようなSDR (Software Defined Radio) トランシーバーではありません。
By musenan sennin